餅による窒息に要注意!喉に詰まったときの応急手当は?

2025年01月06日

正月は家族でお雑煮を食べるなど餅を食べる機会が多いと思います。でも気をつけたいのは餅を喉に詰まらせる窒息事故。特に、高齢者の餅による年間の死亡事故の半数は、1月に集中しており、特に正月三が日に最も多くなります。もし家族が餅を喉に詰まらせたらどのように対応したらよいのか、また、餅を食べるときにはどのようなことに注意したらよいのかについて紹介します。 

餅を喉に詰まらせたときに、まず行うこと

呼びかけてみて、まず、声が出せるかどうか確認し、声が出せない場合は、喉に詰まった餅の除去が必要です。咳をすることが可能であれば、できるかぎり咳をさせます。強い咳をすることもできないときには窒息と判断し、大声で助けを呼んで周りの人に119番通報やAEDの搬送を依頼します。そして、直ちに気道異物除去を行います。救助者が1人の場合、餅を詰まらせたかたに反応がある間は、119番通報よりも異物除去を優先してください。
呼びかけに反応がない場合、また、応急手当の間に反応がなくなった場合は、直ちに心肺蘇生の手順を開始してください。

気道異物除去の方法

背中を強く叩いて詰まったものを吐き出させる「背部叩打法(はいぶこうだほう)」

背中を力強く叩いて詰まったものを吐き出させます。手順は次のとおりです。

1.背中を強く叩く
手のひらの付け根部分で左右の肩甲骨の中間あたりを、数回以上力強く叩きます

相手の上腹部を手前上方に強く突き上げて、喉に詰まった餅を取り除く「腹部突き上げ法(ハイムリック法)」

背部叩打法で餅が出てこないときは、次に「腹部突き上げ法」を行います。ただし、この方法は、乳児や妊婦、高度肥満のかたには行ってはいけません。

相手の上腹部を手前上方に強く突き上げて、喉に詰まった餅を取り除く方法です。

  1. 相手の後ろにまわり、両方の手を脇から通し、ウエスト付近に手を回します。
  2. 一方の手で握りこぶしをつくり、その親指側をへそより少し上に当てます。
  3. その握りこぶしをもう一方の手で握って、すばやく手前上方に向かって圧迫するように突き上げます。
  4. もし窒息への対応が途中で分からなくなったら、119番通報をすると通信指令員が行うべきことを指導してくれますので、落ち着いて指示に従ってください。
  5. なお、腹部突き上げ法を実施した場合は、腹部の内臓を傷める可能性があるため、救急隊にその旨を伝えるか、速やかに医師の診察を受けさせてください。