熱中症が疑われる人を見かけたら

2023年07月31日
熱中症は命にかかわる病気で、平成30年(2018年)から令和2年(2020年)にかけては、熱中症で亡くなる人が3年連続1,000人を超えています。しかし、予防法を知っていれば防ぐことができます。熱中症は、近年5月から多く発生していて、特に梅雨明けの蒸し暑く、急に気温が高くなる時期には例年、熱中症による救急搬送者数や死亡者数が急増しています。熱中症の予防行動を積極的にとり、熱中症警戒アラートを活用して、十分な対策をとりましょう。熱中症は急速に症状が進行し、重症化します。軽症の段階で早めに異常に気づき、応急処置をすることが重要です。 


涼しい環境に避難させる

めまいや大量の発汗など、軽症の熱中症症状が見られる人がいたら、すぐに風通しの良い日陰やクーラーが効いている室内など涼しい場所へ移しましょう。涼しい場所に避難した後も、しばらくは症状が急変するおそれがあります。目を離したり、熱中症の疑いがある人を一人にしないようにしましょう。

体から熱を放散させ冷やす

衣服をゆるめたり、体に水をかけたり、ぬれタオルをあてて扇いだりするなどして、体から熱を放散させ冷やします。自動販売機やコンビニで、冷えた飲料水のペットボトル、ビニール袋入りのかち割氷、氷のうなどを手に入れ、それを首の付け根の両側、脇の下、鼠径部(大腿の付け根の前面、股関節部)に広く当てて、皮膚直下を流れている血液を冷やすことも有効です。軽症の場合、これでよくなることがあります。

自力で水分補給を促す

冷たい飲み物は胃の表面から体の熱を奪うと同時に、水分補給もできます。応答が明瞭で、意識がはっきりしているなら、冷たい飲み物を持たせて、自分で飲んでもらいましょう。
大量の発汗があった場合には、汗で失われた塩分も適切に補える経口補水液やスポーツドリンクなどが最適です。
「呼びかけや刺激に対する反応がおかしい」、「応答がない(意識障害がある)」ときには、誤って水分が気道に流れ込む可能性があります。これらの場合には、口から水分を飲んでもらうのは禁物です。すぐに病院での点滴が必要です。自力での水分の摂取ができない場合や、意識障害が見られる場合は、症状が重くなっていると考えられます。救急車を呼ぶなど、すぐに病院に搬送する手段をとりましょう。ペットボトル飲料のフタを自力で開けられるかどうかも、判断材料のひとつになります。自力でフタが開けられない場合は、すぐに病院に搬送しましょう。